2013年04月13日

ハーグ条約

ハーグ条約

こんばんは、宮﨑政久です。
今日は、衆議院法務委員会でハーグ条約関連の質問に立ちました。
私の最大の関心事は裁判管轄の問題。
法案で東京と大阪にしか裁判管轄を認めていないことから、沖縄県民が不利益にならないようにしたいということです。

沖縄では国際結婚が多い。これは沖縄に米軍基地が多いことを背景としています。
在日米軍人等10万3千人のうち、実に5万人の方がが沖縄で居住しています。
沖縄県では女性が日本人である国際結婚の比率が全国一番で、その中でも8割以上が米国人男性と沖縄の女性との国際結婚なんです。
出会いがあり、ハッピーな国際結婚が成立する。
しかし、日本人同士でも夫婦関係がうまくいかないことがあるように、国際結婚カップルでもうまくいかないことは起きる。
国際結婚をして外国で生活していた沖縄の女性が、夫婦関係が円満にいかず子供を連れて沖縄に戻ってきたところ、ハーグ条約に基づき、夫から子の引き渡しを求める裁判が起こされたというときに、日本でどのような裁判が行われるかを定めた手続法が、今回の法務委員会での審議対象です。

法案では、我が国の裁判は、東京家裁と大阪家裁で行われることとなっています。
私は、一貫して那覇家裁でも裁判管轄を認めるべきと主張しています。
ただ、今回の法案ではこれを実現することはできませんでした。
そうであれば、実際の運用で、沖縄県民に限らず遠隔地にいる日本国民が不利益を受けず、裁判を受ける権利を十分に保障してほしい、その一念で法務省、最高裁と協議を続けました。

具体的には、裁判管轄が認められないとしても、遠隔地の当事者が直接に裁判官に実情を訴える機会を保障してほしいということです。
当事者(つまり外国から子供を連れて逃げ帰ってきた人)が沖縄から大阪まで出向くとなれば、その費用負担は大きい。
そこで、裁判官が沖縄に出向いて当事者から直接に話を聞いてほしいのです。
テレビ会議を利用するだけでなく、裁判官が出張尋問の形式をとる運用を通常の形式にしてほしいということです。
そして、その費用(裁判官と書記官が出張する交通費、宿泊費)についても、当事者の負担とせず公費でまかなってもらう必要があります。
だって、費用が当事者負担であれば金銭的に余裕のある方しか活用できませんから。

こういった点について法務省、最高裁と協議を重ねました。
その結果、今日の質疑で、遠隔地の当事者への配慮として、裁判官が当事者の地元(那覇家裁)に出張することで当事者から直接話を聞くこと、その際の出張費用は公費でまかない当事者の負担としないこと、このような取扱いとすることに最高裁として今後周知徹底を図ること、となりました。
谷垣法務大臣からも、上記諸点をしっかりと実行する旨の力強い答弁をいただいたところです。

沖縄に国際結婚が多いのは、米軍基地が多いことに起因しているわけです。
それゆえ、安全保障や基地問題という側面でなく、県民の生活にかかわる面から、沖縄の過重な基地負担を具体的に軽減できたと思います。
省庁と協議を重ね、国会での質疑を通じて、県民の利益になる取組みができたことに、少しホッとしています。

この案件は、沖縄弁護士会からも強く要請されていました。
自分を育ててくれた弁護士会の要請に応えることができたことは、実はとてもうれしくて、内心安堵することでもありました。


ハーグ条約




Posted by miyazakimasahisa at 01:00│Comments(3)
この記事へのコメント
お疲れ様でした。ハーグ条約自体に問題ありですが、それはさておき、移動費等の格差是正は有意義な討議でした。おめでとうございます。今後もこうした弱者に暖かな心配りをお願いいたします。
Posted by 伊東主夫 at 2013年04月13日 01:28
宮﨑政久代議士へ

昨日の集まりの中でも説明されていたので関心があり、ブログを拝見致しました。

難しい点も多いと思いますが、実現に向けて頑張ってください
基地問題は施設(ハード)の問題がクローズアップされますが
ソフト面の解決の大切さを改めて教えて頂きました。ありがとうございました。
Posted by 呉屋等呉屋等 at 2013年04月21日 07:58
http://ameblo.jp/kokusai-rikon/theme-10009128148.html

私も沖縄の国際結婚組です。夫婦間色々ありましたが、なんとか乗り越えています。しかし、ハーグ条約には問題がありすぎて・・・。
お忙しいとは思いますが、どうぞお時間の取れる時に私のものではありませんが、このブログに目を通してみてください。

http://ameblo.jp/kokusai-rikon/theme-10009128148.html
Posted by piroron at 2013年04月29日 00:38
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。